等差数列は、毎月一定額を貯金に追加したり、支払いスケジュールを立てたり、数字のパターンが段階的に増えていく様子を観察したりと、思わぬところで役立ちます。この数列は「公差」と呼ばれる一定の差で並ぶ数字の列です。
等差数列とは?
等差数列は、各項が同じ差を足したり引いたりして作られる数の並びです。その「同じ差」を公差と言います。
例:5, 10, 15, 20, 25…
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初項( a₁)は5です。
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公差( d)は5、各項が5ずつ増えているからです。
これらのパターンは教科書の演習だけでなく、たとえば毎週同じ額を貯金したあとの一年後の残高を計算したり、少しずつ努力を増やして目標に到達するまでのステップ数を調べたりと、実務的な問題解決にも応用できます。
数字が一定のペースで変化するので、等差数列は予測が簡単で扱いやすいのが特徴です。そのため授業で頻出するだけでなく、実践的な問題でもよく登場します。

等差数列の公式
等差数列は見た目はシンプルですが、任意の項を素早く求めたり、項をいくつかまとめて合計したりするための公式が揃っています。
任意の項を求める
第n項を求める公式:
aₙ = a₁ + (n − 1)d
各記号の意味:
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aₙ– 求めたい項(例:10番目の値)。
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a₁– 初項。
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d– 公差(各項の差)。
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n– 項の位置。
複数の項を合計する
最初のn項の和を求める公式:
Sₙ = (n ÷ 2) × [2a₁ + (n − 1)d]
この公式を使えば、すべての項を列挙しなくても合計が出せます。
簡単な例
たとえば数列3, 6, 9, 12, …で、次を求めます。
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10番目の項。 
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最初の10項の和。 
まず既知の値を整理します:
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a₁ = 3(初項)
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d = 3(公差)
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n = 10(求める項と和の個数)
ステップ1:10番目の項を求める
a₁₀ = 3 + (10 − 1)(3) = 3 + 27 = 30
よって10番目の項は30です。
ステップ2:最初の10項の和を求める
S₁₀ = (10 ÷ 2) × [2(3) + (10 − 1)(3)]
S₁₀ = 5 × [6 + 27] = 5 × 33 = 165
よって最初の10項の和は165です。
等差数列と他の数列
すべての数列が同じように増減するわけではありません。等差数列は同じ差で変化しますが、他にも異なる仕組みの数列があります。
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等比数列 
一定の量を足す代わりに、同じ比率で掛け算して変化します。例:2, 4, 8, 16, 32…は毎回2倍になります。人口増加や利率計算など、指数的変化をモデル化する際に用いられます。
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フィボナッチ数列 
前の2つの項を足して次の項を作ります:0, 1, 1, 2, 3, 5, 8…と続きます。アルゴリズムから貝殻の渦巻きまで、さまざまな場所で見られます。
どの数列が適しているかわからない場合は、他のツールもご活用ください:
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またはナンバーシーケンス計算ツールや数学計算ツールをご覧ください。 

 
            