平方根とは
平方根とは、ある数をその数自身で掛けたときに元の数になる数のことを指します。例えば25の平方根は5です。なぜなら5 × 5 = 25だからです。この操作は通常根号記号(√)を使って表され、中の数は被開平数と呼ばれます。
数学的には、√x = y とは y² = x を意味します。
平方根記号(√)について
平方根記号である√記号は数学ではおなじみで、平方根の計算を示します。この記号はラテン文字の「r」に由来し、根を意味するradixの頭文字で、平方して元の数になる基となる数を表しています。
この表記は16世紀に数学者クリストフ・ルドルフが初めて導入しました。それ以来、代数や幾何学、微積分学など現代数学の基本的な記号として広く用いられています。
近年では、平方根記号はより複雑な根の操作にも拡張されており、立方根(∛)やn乗根(𝑛√)などもこれに含まれます。これらは多項式や非線形方程式の解法、そして式の簡素化に欠かせない役割を果たしています。当サイトの立方根計算ツールで立方根計算も試してみてください。
負の数の平方根
実数の範囲では、負の数の平方根は存在しません。なぜなら、どんな実数を平方しても負の数にはならないからです。しかし、複素数系では虚数単位(i)を使うことでこれが可能になり、i² = −1となります。
例:√−9 = 3i
この考え方は、高度な数学、物理学、波形や電気システムを扱う工学分野で特に重要です。
平方根の計算ルール
平方根は加算、減算、乗算、除算に関して特有の数学的ルールに従います。これらのルールは、有理数および無理数の正確な計算に役立ちます。
-
加算および減算
平方根は被開平数(根号内の値)が同じ場合に限り、直接加減算が可能です。平方根は通常の加減算の規則に従わないためです。
例:√9 + √16 = 3 + 4 = 7
この例では平方根をそれぞれ計算してから加算しています。一方、√9 + √8のように被開平数が異なる場合は、簡約できません。
場合によっては被開平数を因数分解すると共通因子を見出せます。例:
√50 + √18= √(25×2) + √(9×2)= 5√2 + 3√2 = 8√2
-
乗算
平方根の乗算は被開平数を一つの根号内で掛け合わせる形にまとめられ、次の性質に従います。
√a × √b = √(ab)
-
除算
平方根の微分
微積分学では、平方根関数はべき乗則を用いて微分できます。変形すると、x = x^(1/2)となり、微分すると d/dx x = d/dx x^(1/2) = (1/2) x^(-1/2) = 2√x となります。この公式は、√xの変化率がxが大きくなるにつれて減少し、そのグラフの曲線が徐々に平坦になることを示しています。
例:
f(x) = √x として、x = 4での微分係数は:
f'(4) = 1 / (2√4) = 0.25
これは、y=√x のグラフにおける x = 4での接線の傾きが 0.25 であることを意味します。
平方根関数のグラフ
累乗数と分数の平方根
平方根は累乗や分数にも自然に適用でき、次の数学的性質が成り立ちます:
- 累乗の平方根: xn の平方根は次のように表されます:
√(xⁿ) = x^(n/2)
- 分数の平方根: 分数の平方根は分子と分母それぞれの平方根を取ることで求められます:
√(a/b) = √a / √b
平方根は幾何学の公式、特に三角形の面積計算で知られるヘロンの公式で頻繁に用いられます。当サイトの三角形面積計算ツールで実際の計算を試してみてください。

