天文単位から光年へ – AUからlyへの換算方法
天文単位から光年への換算は、私たちの太陽系近辺から星々の間の広大な距離へとつながります。天文単位は太陽の周りの惑星や彗星のスケールを表すのに適しており、光年は恒星や銀河、さらにその先までの距離を語る際に使われます。

天文単位と光年の比較
天文単位(AU)は地球と太陽間の平均距離で、約1億4959万7870.7キロメートルです。天文学者はこれを使って太陽系内の距離を簡潔に表現します。例えば、木星は太陽から約5.2 AU離れています。
光年(ly)は真空中の光が1年間に進む距離で、約9兆4600億キロメートルです。星間や銀河間の距離を表す標準単位です。
両単位は距離を示しますが、そのスケールが大きく異なるため、相互換算によって太陽系が銀河と比べていかに小さいかを実感できます。
計算例:
1 AU ≈ 1.5813×10⁻⁵ ly
1 ly ≈ 63,241.1 AU
天文単位から光年への換算方法
計算式は以下の通りです:
光年での距離 = 天文単位での距離 × 1.5813×10⁻⁵
例:
海王星の軌道は太陽から約30.07 AUとすると:
30.07 × 1.5813×10⁻⁵ ≈ 0.000475 ly
これは光年の約5万分の1未満であり、太陽系の端ですら星間距離に比べて非常に小さいことを示しています。
計算が面倒な場合は、Jetcalculatorの換算ツールでAUからlyやその他の宇宙関連単位を瞬時に変換できます。
豆知識
-
天文単位は地球と太陽の平均距離に基づきますが、2012年に精度向上のためメートル単位で定義が固定されました。
-
光年は時間の単位ではなく距離の単位であり、その名前は誤解を招くことがあります。
-
太陽系の外で最も近い恒星プロキシマ・ケンタウリは約4.24光年、約268,770 AU離れています。
-
氷の小天体が存在する太陽系外縁のオールトの雲は太陽から最大100,000 AU(約1.58光年)まで広がる可能性があります。
-
1977年に打ち上げられたボイジャー1号は160 AU以上移動しましたが、それでも光年で表すとわずか0.0025 lyです。
-
1 AUの光の往復時間は約8分20秒のため、私たちが太陽を見ているのは、およそ8分前の姿ということになります。
-
「光年」という言葉は20世紀初頭の宇宙観測の進展に伴い広まりました。
-
太陽系内の距離はAUで表すことで数値を小さく抑え、銀河規模の距離は光年で示すのが実用的です。
ニューホライズンズの旅路
2015年の冥王星フライバイで有名なNASAのニューホライズンズ探査機は、AUと光年の換算の重要性を示す好例です。打ち上げ当初、ミッションアップデートでの距離はAUで表されていました。冥王星の軌道は太陽から約39.5 AUです。
冥王星通過後、探査機はカイパーベルトへ向かいました。ミッション科学者は速度と位置を主にAUで報告しましたが、一般向け資料ではスケール感を伝えるため時折光年に換算して説明しました。
太陽から50 AUに到達した時、その距離は約0.00079光年。最も近い星まではまだわずかな距離ですが、両方の単位を使うことで異なる天文知識レベルの聴衆に進捗を効果的に伝えられました。

宇宙の二つのスケールを繋ぐ
天文単位から光年への換算は、太陽系から銀河系への架け橋です。天文単位は太陽系近辺の“ローカルマップ”として、光年は深宇宙の“星間地図”として機能します。
これら両方を理解し換算できることで、探査機で直接移動可能な距離と、望遠鏡でしか把握できない途方もない距離の違いを比較できます。
次にある天体が500 AU離れていると聞いたら、それは約0.0079光年。宇宙的には近いものの、現在の探査機の到達範囲をはるかに超えていることを覚えておきましょう。