エルグからジュールへ – エルグをジュールに変換する方法
エルグからジュールへの変換は単なる単位の切り替えではなく、センチメートル・グラム・秒(CGS)系からメートル・キログラム・秒(SI)系への移行とも言えます。

エルグとは?
エルグはCGS系のエネルギー単位で、1ダインの力が1センチメートルの距離で行う仕事として定義されます。
式:1 erg = 1 dyne × 1 cm
SI単位で表すと:
1 erg = 1 × 10⁻⁷ J
エルグは特に天体物理学や微視的物理学で非常に小さなエネルギーを扱う際によく使われます。
ジュールとは?
ジュールはSI単位系のエネルギー単位で、1ニュートンの力が1メートルの距離で物体を動かす仕事として定義されます。
式:1 J = 1 N × 1 m または E = ½mv²
CGS単位系で表すと:1 J = 10⁷ erg
ジュールは世界中でエンジニアリング、物理学、エネルギー関連のほとんどの用途で使われています。
エルグからジュールへの変換方法
変換は単純で比率は固定されています。エネルギー (J) = エネルギー (erg) × 10⁻⁷
例:もし5 × 10⁶ エルグがある場合、エネルギー = 5 × 10⁶ × 10⁻⁷ = 0.5 J
逆変換の場合:エネルギー (erg) = エネルギー (J) × 10⁷
迅速かつ精密な計算が必要な場合は、エネルギー変換ツールや変換ツール集をぜひご活用ください。
お知らせ
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エルグの豆知識:天体物理学では、エルグは太陽フレアなどのエネルギー放出の表現に使われます。大規模なフレアは最大10³²エルグのエネルギーを放出し、このスケールではジュールでは扱いにくい膨大な数値になります。
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ジュールの豆知識:ジュールはジェームズ・プレスコット・ジュールにちなみ名付けられました。彼は熱と機械的仕事が本質的に等価なエネルギーの形であることを証明し、熱力学と力学を結びつけました。
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エルグの豆知識:エルグは19世紀後半にCGS系の公式単位となり、分光学や微視的熱力学などで標準単位として定着しました。
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ジュールの豆知識:1ジュールは小さなリンゴを地球の重力に逆らって約1メートル持ち上げるのに必要なエネルギーに相当します。
エネルギー科学を変えたパドルホイール実験
1840年代、ジェームズ・プレスコット・ジュールは熱が当時信じられていたような謎の流体ではなく、測定可能なエネルギーの一形態であることを証明しようとしました。彼の最も有名な実験装置は、水槽に浸されたパドルホイールに落下した重りを紐と滑車でつなぎ回転させるものでした。
重りが落ちるとパドルが回り水をかき混ぜ、そのかき混ぜによって水の温度が上昇しました。これは機械的仕事が熱に変換された結果です。ジュールは重りの落下距離、水の質量、温度上昇を慎重に測定し、精度を確保するために何度も実験を繰り返しました。
この研究によって、彼は熱の機械的等価量を特定しました。すなわち、単位熱を生み出すのに必要な機械的エネルギーの正確な量です。この発見はジュールの現代的定義をもたらし、エネルギー保存の原理を裏付けました。
この関係性は間接的にエルグとジュールのつながりも生み出しました。後に、CGS系の科学者たちがより精密な単位を求めた際に、1 J = 10⁷ ergとなるようエルグが定義され、両単位系間でジュールの機械的仕事と熱の対応関係が保たれました。
パドルホイール実験は物理学における重要な転換点であり、ジュールの命名だけでなく、機械的仕事・熱・エネルギー測定を一つの枠組みにまとめたものでした。この実験がなければ、エルグからジュールへの標準化された変換は生まれなかったかもしれません。

研究室から日常生活へ
エルグからジュールへの変換は単なる掛け算のように見えますが、その背後にはエネルギーの測定と理解を根本的に変えた科学的発見の物語があります。宇宙のエネルギーをエルグで計算する場合も、日常の力をジュールで測定する場合も、両者の共通の起源を知ることで数字に深みが生まれます。そして、これらの単位間を瞬時に切り替える必要がある時は、Jetcalculatorのツールがその作業を簡単にしてくれます。