度からグラッドへの変換方法
角度を度で扱うことが一般的ですが、「グラッド」(別名ゴン)という単位は少し馴染みが薄いかもしれません。しかし、測量、工学、地図作成など、精密さや小数計算を重視する分野では現在も広く使われています。度とグラッドの変換は意外と簡単で、多くの場合必須となります。
各単位の意味と変換方法、さらにグラッドが実際にどこで使われているのかを詳しく見ていきましょう。
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度(°)とは?
度は角度を測る最も一般的な単位で、円は360度で構成されています。これにより、直角は90°、直線は180°といった分割がしやすくなっています。
この体系は何千年も前のバビロニアに由来し、60進法を使っていました。古代から続く単位ですが、今でも学校の数学の宿題からスマートフォンのコンパスや衛星アンテナの軸まで、広く利用されています。
グラッド(gon)とは?
グラッドは円を400等分した単位です。つまり:
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100グラッド = 直角1つ
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200グラッド = 直線
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400グラッド = 一周
18世紀末のフランスのメートル法制定運動で導入されました。すべてを10進法に統一し、特に現場で角度の加減算が多い測量作業を簡便にするためのものでした。
世界的な普及度は度やラジアンほどではありませんが、ヨーロッパ大陸では土木工学やトータルステーションなどのデジタル機器で今なお使用されています。
度からグラッドへの変換方法
度とグラッドの関係は単純です。なぜなら:
360度 = 400グラッド
となるからです。
✅ 変換式
グラッド = 度 × (10 / 9)
この式によって、度で表した角度を1回の掛け算でグラッドに変換できます。
✅ 例:45度をグラッドに変換
グラッド = 45 × (10 / 9)
グラッド = 450 / 9
グラッド = 50
つまり、45度は50グラッドに相当します。
さらに多くの角度をすぐに変換したい場合は、角度変換ツールやその他の変換ツールもご活用ください。
豆知識
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グラッド単位は18世紀フランスで測定の10進化運動の一環として誕生しました。時間、距離、重さ、そして角度までもすべてを10進単位にする試みでした。
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グラッドは直角を100単位で表すため、分数や小数なしで加減算が行いやすく、測量数学を簡単にします。
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ヨーロッパでは国家測量グリッドを扱う際、測地機器がグラッドをデフォルト単位としている場合もあります。
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カシオやHPのデジタル計算機は、度やラジアンに加えグラッドモードも搭載しています。
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土木設計図面では、正確な勾配や曲線の形状を示すために今でもグラッドが使われることがあります。
革命的な数学:グラッドの誕生
フランス革命期の改革者たちは、古い制度を廃し理性と10進法に基づく新しい世界を作ろうとしました。円の計測方法にもその考えは及び、古代バビロニアの360度に代わって400単位のグラッドが提案されました。
直角はきっちり100グラッドとなり、さらに1グラッドを100セントグラッドに細分できるため、特に土地分割や地図作成で計算が早く正確になると期待されました。
世界的にはこの体系は普及しませんでしたが、測量士、エンジニア、ヨーロッパの測量機関では、精密さと10進計算に適した単位として今も使用されています。
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グラッドが役立つ場面
日常的にはあまり使わないかもしれませんが、一定の職種や地域では広く浸透しています。デジタル測量機器を使う場合や地形図の参照、ヨーロッパのインフラプロジェクトでの共同作業では、グラッドが標準です。
ここで変換式をおさらいしましょう:
グラッド = 度 × (10 / 9)